七人の日本人、ユダヤとの攻防
第一章 国際金融資本がつくる世界の構造
国際金融資本ロスチャイルド
今日は、「日本と国際金融資本」というテーマでお話しします。
国際金融資本といえば、ロスチャイルドです。
図1をご覧ください。青がロスチャイルド家の影響が及んでいると思われる範囲
と地域です。そしてオレンジ色(青の上に重なっていると見てください)はロック
フェラーの影響が及んでいると思われる範囲と地域です。縦軸が時間軸で、横軸に
欧州、その隣が米国、そして日本、右下に中共を書き加えています。
日本は「明治維新」と書いてある所が薄い青になっていまして、それ以来、明治
時代から昭和の初めまで、べったりと青い色が塗られています。そしてオレンジも
かかってきて、大東亜戦争の所で白抜きになっています。戦後は、まさにアメリカ
の占領下ですからべったり塗り込められていまして、そして現在に至ります。現在
は、より一層色が濃くなっているという状況ではないでしょうか。
さて、「日本がこの国際金融資本家系の勢力の中に入ったのはいつからか」とい
うことが最初のテーマになりますが、その前に、いわゆるグローバリズム勢力の奥
の院、ロスチャイルド家についてお話しします。
ロスチャイルド家はフランクフルトのゲットー(ユダヤ人居住区)の出です。そ
こから各国政府に食い込んで貴族になっていくわけです。オーストリア帝国宰相
メッテルニヒから貴族の称号をもらっています。
ロスチャイルド家を最初に発展させたマイヤー・ロスチャイルドには息子が5人
いて、その息子たちは本拠地のフランクフルト以外にも、ロンドン、パリ、ナポリ、
ウィーンに拠点を構えます。彼らは各国で経済、政治、そして文化までも牛耳り、
世紀前半にはロスチャイルド家がヨーロッパ中を牛耳るようになります。
写真1は、ロスチャイルド家のシンボルマークです。5本の矢は、マイヤーが5
人の息子に残した家訓を表しています。矢は1本では折れてしまうけれども、5本
まとめればなかなか折ることができないということで、「いつまでも一族が結束す
るように」という意味です。
ロンドンに拠点を構えた三男は、ネイサンとい う名前です。彼には、ナポレオン戦争
の勝敗の情報をイギリス政府より 時間早く取得して、イギリス国債の相場で大きく
儲けたという伝説があります。
ロスチャイルドは、他を寄せ付けない抜きんでた情報網を持ち、ヨーロッパ中で
投資、投機に大成功した一族と言っていいのではないでしょうか。
ロンドンのネイサンは、大英帝国の繊維産業貿易を牛耳り、ナポレオン戦争の
大陸封鎖を逆に利用して、密貿易を大々的にやって大成功し、シティのイングランド
銀行をも牛耳っていくわけです。
そのネイサンの後を継いで2代目当主になったのは、長男のライオネルです。
彼は政界を牛耳っており、イギリスの国会議員をどんどん買収して、自分たちに
都合のいい法律をつくりました。
彼らの哲学は「LUCRATIVE 」です。「Very Profitable 」、「more profitable 」、つま
り「より儲かりまっか?」ということが彼らの原理原則です。背景にはユダヤ教も
ありますけれども、なんといってもこれは資本主義でしょう。
資本主義の原理でヨーロッパのキリスト教社会を支配し、それが今も拡大し続け
ているということです。
この辺のところは、私の新刊『ザ・ロスチャイルド』に詳しく書かれていますの
で、ご覧いただければと思います。
ロスチャイルドの奉じるユダヤ教とは
次に、ユダヤ教について簡単にお話ししたいと思います。ユダヤ教の旧約聖書に
は、「申命記」や「民数記」などがありますが、私がこれから述べるような部分は、
日本語訳の旧約聖書には、明治以降ありません。しかし本来の旧約聖書には、次の
ような一節があります。
「申命記 第7章 節 汝らは、主たる神が汝らに与えた諸民族を滅亡させよ。諸
民族に同情してはならないし、彼らの神々に仕えてはいけない。それらは汝らに仕
掛けられた罠なのだから」
「ユダヤ民族以外の諸民族を滅亡させよ」というふうに書いてあります。
「第 章 節 異邦人には利子を課しても良いが、イスラエル人に利子を課しては
ならない。そうすれば、汝らが得ようとする土地で汝らが獲得する総ての財物に対
して、神の祝福が与えられる」
「第 章1節 汝らが主たる神に全身全霊で仕え、今日余(モーゼ)が汝らに与え
る神すべての指令に服従するならば、主たる神は地上のいかなる民族よりもはるか
上位に汝らを据えるだろう」
「民数記 第 章 節 さあ、総ての男児を殺せ」
これは、他民族の男児を殺せということです。
「そして、男と寝たことがある全ての女も殺せ」「 節 しかし、男と寝た経験の
無い女は汝らのために生かしておけ」
このようなことが旧約聖書に書かれているということは、明治以来、日本人には
伏されているというふうに聞いております。
要するに、われわれ日本人にとっての神の概念、あるいはキリスト教が本来普及
させようとした人類の神、あまねくすべての神という概念は、ユダヤ教にはないの
です。
ユダヤ民族の神とぶつかる、これを崇拝しない諸民族は「殺してもいい」という
ようなことが、申命記や民数記に書かれているということは、知っておいた方がい
いのではないかと思います。
さて、いよいよ「日本の政治」の話題に移っていきます。
まず、この「世界は一つ、マネー主義」という図をご覧ください。過去から
現在まで、そしてこれからの課題のすべてが、この図に集約されています。
日本は、アメリカと中共の間に位置しています。
日本の政治が、過去から戦後、そして現在どういうことになっているかというと、
新自由主義陣営の 特にアメリカと、共産主義国、中共の真ん中にあって、
両方の草刈り場になっているという図です。
青い矢印は、中共の動きを表してい1ます。
皆さんご存じのように、中共の浸透工作によって日本の土地が買われ、人が
入り込み、マネーも怒濤のように入ってきて、「尖閣が危ない。沖縄が危ない。
北海道が危ない」と言われています。
ここ最近、ようやく警戒感が出てきたという状況です。
赤い矢印はグローバリズムです。系統的にはロスチャイルド系統だとかロック
フェラー系統、その他グローバルビジネス群ですけれども、これらがアメリカを経
由して日本の草を刈っているわけです。
日本の安全保障はアメリカにおんぶに抱っこですから、まさにこの矢印の草刈り
から逃れることはできなくなっています。アメリカがはしごを外せば、日本の安全
保障がなくなるという状況ですから。
ロックフェラーが前面に出て主導した三極委員会であるとか、その後の構造協議、
対日要望書、それから新しいところではトランプ元大統領と安倍元首相が結んだ貿
易協定などを通じて、日本の経済支配がなされているのです。
トランプ氏が最初に当選した時は、ユダヤの大資本が表立って応援しており、ロ
スチャイルド系統も応援しているわけで、彼も日本で草を刈るということに非常に
熱心でした。貿易協定もそうですし、例えば安倍元首相とトランプ元大統領の時代
で、「日本の防衛産業はズタズタになった」と言われています。重要な部分、継続
的な部分を、日本への発注からアメリカ製品の購入に切り替えていったのです。
現在、日本の防衛産業は大変危機的な状況にありますが、そういう状況をつくっ
たのもトランプ元大統領であるということは認識しておかなければなりません。
この図に「世界は一つ、マネー主義」「経済は相互依存!」「NWO(ニュー・ワー
ルド・オーダー)」と書いてあるとおり、世界にはいろいろな問題が潜んでいます。「世
界は一つ」の右側に、小さく「国連」と書いてありますが、国連はロスチャイルド、
ロックフェラー系統がつくった組織です。国連は反日の拠点にもなっていて、いろ
いろな委員会において、南京の問題、従軍慰安婦の問題で日本が叩かれているのは、
皆さんご存じのとおりです。
「経済は相互依存!」についてお話しすると、たとえば医薬品では、コロナ禍にお16
いて日本は外国から新型コロナワクチンを大量に購入しています。
食糧問題もあります。日本の食糧自給率は徹底的に下げられており、しかも安全
性に確たる保証がない遺伝子組み換え食品がかなり入り込んでいます。「市場ベー
スも含めると、すでに4割以上を占めているのではないか」という説もあります。
エネルギーも、ほとんど海外に依存する体制になっており、日本独自のエネルギー
体制をつくろうとした政治家は葬られています。
それから脱炭素の問題です。地球温暖化ならぬ、気候変動と言い換えられていま
すが、その主原因がCO2 であるという確たる証明を、私は見たことがありません。
それなのに脱炭素のために産業構造の大変革を迫られているのです。
これらの問題は、まさに「世界は一つ、マネー主義」構造の中で、グローバリズ
ムによって日本に押し付けられたものなのです。
日本の政界を見てみますと、国会議員のほとんどは親グローバリズム、親米、そ
して親中です。17 第一章 国際金融資本がつくる世界の構造
政治家、国会議員の中でも出世する人間の多くは海外留学しており、その時点で
親グローバリズム、親米になっていたり、ハニートラップとかマネーの罠にかかっ
て親中になっていたりします。
あるいは、こういう構造自体をよく理解できていない議員もたくさんいます。
本人たちが、意識している意識していないの濃淡はありますが、総じて日本の政
治は反日です。反日の国会が国民を代表しているというわけです。
そして国会は、共産主義陣営の中共とアメリカとの対立という構図の真ん中に置
かれていて、この対立があるからこそ、日本は安保条約を外せないのです。
この対立があるから、防衛費を増やさなければなりません。しかも増やした防衛
費のほとんどは、アメリカから兵器を購入することに費やされています。
また、「世界は一つ、マネー主義」のもと、日本の上場企業の株式は、従来の企
業グループの持ち合いを解消されて、外国人投資家の比率が増えています。
安倍元首相の一番の成果は、在任中の8年弱で外国人投資家への配当を
増やしたことでしょう。
「実質所得低下。経済成長せず」という中で、外国投資家への配当を劇的
に増やしたのです。なぜこんなことをしたかというと、まさにこの図のとおりとい
うことです。
もう1つこの図から読み取れることは、米中の真ん中にあって、「日本らしさ」
が消えつつあるということです。
グローバルな資本主義は、国境、民族、国、歴史、伝統を敵視しています。数千
年、数万年の独自の歴史を持つ誇りある日本は、彼らにとっては目の上のたんこぶ
のようなものでしょう。
そして、彼らにとってもっとも使い勝手がよいものは、低賃金労働力です。その
なかでも、中共のストをしない膨大な労働力や、ウイグルの奴隷労働力が、最たる
ものでしょう。
そういうことで、彼らは、世界中の何十億という民を、この構造自体に楯突かな
い盲目的で従順な地球市民に仕立て上げようとしているのです。
首相の靖国参拝への批判や、ご皇統に対するさまざまな攻勢、仕掛け等々に見ら
れるように、日本人から「日本らしさ」をなくして、従順な地球市民にしていくと
いう地球レベルの戦略が、私たちにも適用されているのです。
日本の開国と国際金融資本
では、日本はいつから、「世界は一つ、マネー主義」の、この位置に入ってしまっ
たのでしょうか。
7ページの図1を見ますと、明治維新の頃には、すでに水色に塗られています。
なぜかというと、ロスチャイルド家が日本を開国させたからです。
「泰平の眠りをさます上喜撰 たった四盃で夜も寝られず」という有名な狂歌があ
ります。鎖国で眠っていた日本の眠りを覚ましたペリーの蒸気船を「上喜撰」とい
う(カフェインが入っているのでたくさん飲むと眠れなくなる)お茶にかけている
わけです。学校の教科書でもよく見かけますね。
この狂歌は、どちらかというと日本をちゃかしていて、「文明から置き去りにさ20
れていた日本にペリーがやってきて大変な驚きと戸惑いをもたらし、てんやわんや
になったわけだけれども、その黒船が日本を開国してくれた」というような内容で
す。
「ペリーというアメリカの立派な軍人が日本を開国してくれた。ここから近代日本
が始まった」というようなことですね。
私は、この狂歌は「プロパガンダ」だと思っています。その背景には、何が隠さ
れているのでしょうか。
日本を開国させたのはマシュー・ペリーだといわれていますが、実は彼はロスチャ
イルド家の代理人でした。
1845年2月、ペリー来航の8年前ですが、アメリカ下院の特別委員会の委員
長プラットが、ある決議案をアメリカ議会に提出しました。内容は、次のようなも
のです。
「アメリカの通商の伸張へ向けて倦まず弛まず努力することは、我が国の農業及び
製造業と通商が繋がっている以上、合衆国の全般的利益にとって肝要なるが故に、
かかる政策方向推進のため、日本帝国及び朝鮮王国と通商協定を遂げるべく直ちに
措置が講じられるようここに勧告するものである」
これは、パーマーという弁護士兼ロスチャイルド家の代理人が、プラット委員長
を使って、アメリカの議会に決議案を出させたのです。「アメリカが日本開国を国
策とするように。アメリカ政府は日本の開国に向けて動くように」という決議案を、
ロスチャイルド家が代理人を使ってアメリカ議会に働きかけたということです。
その内容には、当時のロスチャイルドグループの日本に対する見方が表れていま
す。
まず、日本との交誼が願わしい所以として、「5000万を超える人口」をあげ
ています(実際は3000万程度でした)。これは、当時の合衆国の人口の約2倍
にあたります。
彼ら国際金融資本は、日本について、
「世界各国民の間で畏敬されて然るべき程の文化と国力を兼ね備えている」。
「アメリカ政府が現在外交・通商関係を続ける国々の幾つかより文明が進んでいる」。
「工芸の興盛、水陸交通機関の発達と国内産業の著しい発展、山腹に至るまで
隈なく耕作されている勤勉無比の農業」。
「平時 万、戦時は 万以上とされる兵力」。
「世界最大級の都市江戸」と、このような認識をしていました。
ロスチャイルド家は、1840年代からこのような認識を持っていたと考えられ
ます。
ロスチャイルド家の代理人である弁護士のアーロン・パーマーは、1840年代
からアメリカ政府に対してロビー活動を展開していました。日本にアメリカ海軍の
艦隊を派遣して開国させることを、国家事業にすることが狙いです。つまり、ロス
チャイルドのビジネスのために、アメリカという国の税金とアメリカの軍隊を使っ
て、日本を開国させようとしたのです。
その頃のアメリカは、さまざまな問題を抱えていました。奴隷制度、西部の開拓、
インフラ整備など課題が山積みになっており、議会は極東のことにはまったく関心
がありませんでした。そこにロスチャイルド家が、自分たちのビジネスのために、
アメリカ政府と議会を説き伏せにかかったのです。
また、日本へ派遣する艦隊の長官としてマシュー・ペリーが指名されたのですが、
それはペリーの娘の結婚相手がオーガスト・ベルモントというユダヤ人だったから
です。ベルモントはロスチャイルド家がニューヨークに派遣した代理人でした。つ
まり、ペリーはロスチャイルド閥に組み込まれていたわけです。
そして、当時の東インド艦隊長官を適当な理由で首にし、その後任にペリーを据
え、日本に派遣したのです。
1849年に、パーマーが当時のアメリカ国務長官に送った提案書が残っていま
す。それには「日本は東洋のイギリスとなるであろう」「日本はアメリカとの国交
を持つことで、蒸気船建造とメンテナンスの知識を得ることができる。最新の陸海
兵器を保有できる。そうすれば外国勢力の侵略から国を守ることができる。(陸海
軍を刷新し、汽船・鉄道・電信等の利用を促進すれば)日本は東洋の一等国に変貌
できる」と書かれています。
日本はまさにこのとおりの道を歩むことになりました。
パーマーは日本開国だけでなく、アメリカ大陸電信網の開通や、太平洋蒸気船航
路開通、アメリカ大陸横断鉄道開通などのビッグプロジェクトを描いて、それをど
んどん実現させていきます。
神がアメリカ人に与えたという「明白なる使命(マニフェスト・デスティニー)」、
インディアンにとっては大変迷惑ですけれども、西へ西へと開拓をしていくという
「明白なる使命」をロスチャイルド家が利用して、アメリカ大陸を超えて太平洋に
拡がり、地球全体にその力を及ぼしていくのです。
ロスチャイルドはこうした世界戦略ビジネスを 世紀前半からやっており、
1840年代から日本もその中に位置付けられたのです。
明治の日本とロスチャイルド
ケズウィック家の創始者ウィリアム・ケズウィックという人物がいます。ロスチャ
イルド系統と言われるジャーディン・マセソン商会日本支店の、初代代表です。
ちなみに話はそれますが、有名なグラバーは、ジャーディン・マセソン商会の子
分であり、グラバーの使い走りが坂本龍馬です。南北戦争のお古の武器を、坂本龍
馬が薩長に渡したという図式です。子ども時代のわたしにとって、坂本龍馬は英雄
だったのですが、歴史の実態とはこのようなものです。
さて、このウィリアム・ケズウィックは、日本を近代化させるというロスチャイ
ルド家の規定路線に沿って、日本の若者を留学させます。その典型的な例が「長州
ファイブ」です。
「長州ファイブ」、すなわち伊藤俊輔(伊藤博文)、井上聞多(井上馨)、遠藤謹助、
山尾庸三、野村弥吉(井上勝)らをロンドンに送ったのが、このウィリアム・ケズ
ウィックなのです。
ほかにも、吉田茂や白洲次郎がケズウィックの影響を受けた日本人と言われてい
ます。吉田茂の養父は、ジャーディン・マセソン商会の横浜支店の館長となってい
ます。26
このようにロスチャイルド家は、下級武士たちを指導して、日本の近代化に取り
組みました。世界中でやっているようなことを、日本でもやっただけなのですが、
日本人は特に彼らの命令をうまくこなしました。
この開国以来の構造の裏に、国際金融資本ロスチャイルド家が存在しているとい
うことは、勝海舟や西郷隆盛もよく知っていたはずです。彼ら、あるいは明治の元
勲たちはみんな知っているわけであって、ゆえに江戸城開城の問題を巡っても、勝
海舟と西郷隆盛の思惑は一致したわけです。
ロスチャイルド家は日本を近代化させて、極東の駒にしようとしていました。ロ
スチャイルドの代理人がアメリカ政府に働きかけた計画書にあるように、日本がア
メリカあるいはイギリスから近代的兵器を輸入し、軍隊をつくれば、日本は極東で
それなりの地位を築き、独立を保持することができるという路線が与えられている
わけです。
「それでいこう」となったのが、勝海舟です。
そして長州ファイブで留学し、近代国家づくり、議会づくり、憲法づくり等々の
指導を受けて、そのとおりに実践したのが、伊藤博文です。
ただ、松方正義や渋沢栄一に比べれば、伊藤博文はまだ日本の国益を守ろうとし
たという面が随所に見られます。後で詳しく話します。
日本が国づくりに邁進していた明治時代、世界におけるロスチャイルド家の勢力
はますます大きくなっていました。あの大英帝国も、ロスチャイルドのロンドン家
のお世話になっていたのです。
スエズ運河がよい例です。スエズ運河を開発したのはフランスとエジプトです。
しかし、1875年のことですが、エジプトの財政が窮乏し(その財政の窮乏もロ
スチャイルド家が仕掛けたという説がありますが)、スエズ運河の会社の株が売り
出されることになりました。フランスも狙っていたその株を、イギリス政府が急遽、
莫大な金額を調達して買い取ったのです。
当時、イギリス議会は休会中。イギリスは議会制の国ですから、予算が用意でき
ませんでした。そこでロスチャイルド家が、スエズ運河の株の購入資金を用立てた
のです。ロスチャイルド家は、「担保はイギリス政府でいい」と格好いいことを言っ
たそうです。
日本を開国させたのはアメリカですが、その後、アメリカは南北戦争を始めて余
裕を失いました。そこで日本を極東の一等国に育てる役割は、当時アジアを支配下
においていたイギリスが担うことになりました。グローバリズム勢力であるロス
チャイルド家は、アメリカ経由と、イギリス経由での働きかけを行うことができま
した。 世紀後半はイギリス経由で日本を抑え、その後はまたアメリカ経由で日本
を抑え込んできたということです。
国際金融資本のやり方
国際金融資本が日本を抑えている方法を理解するには、彼らがアメリカをどう抑
えているかということを知らなくてはなりません。
むしろ、それを知らなければ日本の政治も理解できないのです。
皆さんご存じのように、アメリカはここ数十年、日本にさまざまな要求をしてき
ています。そのたびに日本は、「へい、へい」と言うことをきいています。
アメリカの大統領は、本人の利権のために要求しているわけではないし、アメリ
カ国民のためにやっているわけでもありません。アメリカ大統領を牛耳っているの
は国際金融資本ですから、それはロスチャイルド家やロックフェラー家等々のグ
ローバルビジネスのためなのです。
国際金融資本が大統領をつくり、大統領を操作して、日本にグローバル開国を要
求しているということなのです。
では、国際金融資本は、どうしてアメリカの政治を牛耳ることができるのでしょ
うか。
ロスチャイルド家は、大手マスコミを通してアメリカの世論を牛耳っています。
アメリカ人は独立以来、ロンドンの大資本、ユダヤの大資本から独立しようという
動きをしているのですが、今の日本と同様、大手マスコミは全てロスチャイルド家
が牛耳っています。そして、そこでプロパガンダを展開していくという、日本でも30
そうですけれども、アメリカでも映画『マトリックス』のような世界を作り上げて
いるわけです。
それはいつから始まっていたのでしょうか。
1880年に『ニューヨーク・タイムズ』紙の論説記者ジョン・スウィントンが、
NYプレスクラブのパーティーで有名な演説をしました。次のような内容です。
「アメリカでは、田舎の町村以外に独立した新聞は存在しない。諸君はこの事実を
知っている。私もまた知っている。諸君のうちには真面目な議論を発表しようとす
る者は1人だっておるまい。もし発表しようとしても、諸君はそれが活字にならな
いことをあらかじめ知っている。私が執筆している新聞に、私が正直な主張を書か
ずにいることに対して、私は1週間に150ドルもらっている」
要するに、真実を書かずにうそを書くことによって、高給を食んでいると言って
います。
「諸君、他の新聞に対しても同じ役目をすることによって同額の給料をもらうこと
ができる。もし私が一度でも私の主張を新聞に掲載しようと無理をすれば、本当の
ことを書こうとすれば、私の地位は 時間以内にぶっ飛んでしまうであろう」
「そして、この事情が分からずに自分の正直な主張のみを書こうとする記者は、失
職して路上に他の職を探さなければならない。真実を偽り、威嚇し、財貨の前にひ
ざまずき、報酬のため、すなわち日々のパンのために国を売り、同族を売ることは、
ニューヨークの新聞記者の仕事である。われらは楽屋に身を隠している富裕な人々
(ロスチャイルド家等)の道具であり、家来である。われらはまた、操り人形にす
ぎない。背後の人々が糸を操り、われらは踊るのである。われらの時間、われらの
天分、われらの生涯、われらの能力、その他すべては他人の財産にすぎない。われ
らはインテリの売春婦である」
1880年には、すでにアメリカの社会はこうなっていたということなのです。
このところ渋沢栄一が注目されていますが、ごく簡単に言ってしまうと、彼はロ
スチャイルドのパリ家の言うとおりにやっただけです。それだけでも大変なことで、
命懸けで精力的にやったのですが、数百年にわたる欧米の歴史の中でつくられたい
ろいろな仕組みを、幕末の下級武士がクリエイションできるわけがありません。
それを消化するだけでも大変な努力が必要だったことは確かですが、背後には
べったりとロスチャイルド家がついていたわけです。
渋沢と同時代の政治家、松方正義は、パリやロンドンのロスチャイルド家の導き
を受けて、日銀をつくっています。また金本位制を導入したのも彼です。金が流出
して少なくなっているにもかかわらず、金本位制を無理に採用したのです。
日清戦争、日露戦争も(その歴史的意義は私も100%理解していますが)ロス
チャイルド家が松方正義に発破をかけてやらせたというのが事実です。伊藤博文は
「非常にリスクがある」ということで、むしろ止めに回ったと伝えられています。
そして、金がないのに日本は大ロシア帝国と日露戦争を始めてしまったわけで、
途中で金が全くなくなるにもかかわらず、多くの日本人が血を流して頑張りました。
途中で弾も食糧も軍服もなくなったのです。
ロスチャイルド家にとっては、日露戦争はロシア革命の一環です。第一次ロシア
革命が日露戦争の時に起こるのですが、とにかくロシア帝政を倒すことが、彼らの
地球戦略の一番の目標だったのです。
その布石としての日英同盟等々と、松方正義が日本を仕切って、ロスチャイルド
家からの命令通りにやりました。また、彼には子どもが 数名いまして、彼らがそ
の後の歴史においてグローバリズム勢力にとってのキーマンになっていきます。「松
方の子どもだから大丈夫だろう。孫だから大丈夫だろう」とロスチャイルド家、ロッ
クフェラー家に、安心できる人材を供給していったと言えます。
当時、日本と関係の深かった外国人といえば、アメリカにおけるロスチャイルド
家の代理人、ジェイコブ・シフです。ドイツ生まれのアメリカの銀行家です。
このシフの一族も、フランクフルトのゲットーの狭い建物で、ロスチャイルドと
一緒に住んでいました。そして、両家ともそこから抜け出て、世界のマネー王になっ
たのです。
ジェイコブ・シフは、クーン・ローブ商会というアメリカ一の大銀行、今のアメ
リカの大銀行をいくつも合わせたぐらいの存在だったのですけれども、そこのトッ34
プでした。
日露戦争の際には、高橋是清の求めに応じて、日本の戦時国債を購入したことで、
明治天皇より勲一等旭日大綬章を贈られています。しかし、ジェイコブ・シフはの
ちに「日露戦争は一番もうかった」と言っています。
このジェイコブ・シフのクーン・ローブ商会と、やはりロスチャイルドの代理人
であるモルガン、それからロックフェラー、これらが1920年代のアメリカの産
業を牛耳っていきます。
第二章 新世界秩序とは
新世界秩序に巻き込まれた世界
世紀後半から 世紀初頭にかけて、ロンドンのロスチャイルド家の当主であっ
たのが、初代ロスチャイルド男爵となったナサニエルです。彼は弟のアルフレッド
と共に、極東の日本を冷徹な目で見ていました。
彼らの根底にある思想は「LUCRATIVE 」です。マネーを支配し、マネーで世界
を支配します。帝国主義、植民地支配を 世紀にやってきたわけですが、 世紀か
ら 世紀に入るころに、「新世界秩序」を展望していきます。
イギリスでは、ナサニエルと、南アフリカの鉱山王セシル・ローズが中心となっ
て、秘密結社をつくります。そこにトインビーやミルナーといったインテリジェン
スが合流して円卓会議をつくり、それが1920年の王立国際問題研究所設立につ
ながっていきます。
一方、アメリカでは、モルガンやロスチャイルドの円卓会議、ウィルソン大統領
帝国主義(植民地支配) → 新世界秩序
太平洋問題調査会
(IPR)
図3 新世界秩序を展望する組織
を指導したハウス大佐による「大調査」グルー
プ、ロックフェラーの外交問題評議会が一緒
になって、1921年に新たに外交問題評議
会(CFR)ができます。これはルーズベル
ト、あるいはそれ以前からのアメリカの政治
を牛耳っているシンクタンクです。
そして、1925年に、ロックフェラー傘
下の世界的な民間組織である太平洋問題調査
会が設立されました。太平洋問題調査会は、
日本を支那事変、日米戦争に追い込み、敗戦
させ、占領政策へと続くシナリオを作ってい
きました。
王立国際問題研究所、外交問題評議会、太
平洋問題調査会の三つが、1920年代に相38
次いで整備されたわけです。
彼らが注目していたのは帝国主義です。
世界中には何十億という植民地支配による奴隷状態の民がいましたが、彼らは植
民地をだんだん独立させていって、独立を与えるけれども経済的、金融的な支配は
続けるという体制をつくろうとしました。何十億という奴隷は、大衆消費者や大衆
勤労者に姿を変え、国のない、国境のない、民族のない、伝統のない、従順な地球
市民になっていくわけです。
そういった新世界秩序、ニュー・ワールド・オーダーをつくっていこうというコ
ンセンサスが、第一次大戦後から芽生えてきます。そして、それを本格的に具体化
する段取りが第二次世界大戦です。
彼らはソ連をつくり、コミンテルンをつくり、育て、これを西側陣営に対する対
立構造の極としました。イギリスの歴代首相もそうですが、歴代アメリカ大統領も
彼らの子分で、特にルーズベルトは操り人形と言ってもいいでしょう。彼が、ニュー・
ワールド・オーダーづくりの第二次世界大戦に、アメリカを巻き込んでいくという
日本も大東亜戦争として、そこに巻き込まれていきます。
近衛文麿は大日本帝国をぶっ潰して、皇統ではなく自らの覇権を確立しようとし
たのですが、そのことをうまく利用したのが、やはりロスチャイルド家、ロックフェ
ラー家です。近衛文麿の方も、ロスチャイルド家、ロックフェラー家を利用したつ
もりだったのでしょうが、力量の違いがあまりにも大きかったのです。結果的に近
衛文麿は戦後、服毒自殺をはかるのですが、一般的に言われていたような自殺では
ないということです。
ロックフェラー財団と反日の動き
ここでロックフェラー財団についてお話ししておきましょう。
要するに、ロックフェラー財団は、宣教師団です。宣教師団を支那に送り込んで、
食い込んでいきました。そのために、ロックフェラー財団は医療を利用しました。40
1921年には支那に医科大学まで建設しています。
そして彼らは、歴史的に見れば反日と言ってもいい動きをしました。日本と支那
が互いに反目し合うような広範なプロパガンダを、支那で展開しました。
そもそも、アメリカは支那で大きなビジネスをしていませんでした。支那で活動
していたのは、宣教師とロックフェラーのスタンダード・オイルだけです。ですか
ら、日本が支那に出ていってアメリカの利権が食われるということはないのですが、
「日本が支那に出ていって、アメリカの国益が非常に侵されている」とうそを言って、
日本が支那に進出したことを理由に日本を包囲して、日米戦争へと至る導火線に火
をつけていくわけです。
ロックフェラー財団、太平洋問題調査会等が、抗日、そして国共合作の流れをつ
くったのでした。
例えば1936年に、広東で激しい排日、反日運動が起こるのですが、背後に国
際金融資本、アメリカやイギリス、ソ連による扇動工作があったのです。
国際金融資本VS日本です。日本は、こういう勢力と対峙してきたのです。国内
政治もそうですし、国際関係も1920年代、1930年代からそうでした。
経済的自由主義の推奨と国際金融資本
彼らのマネーの力は、年々大きくなっていきます。
たとえばアメリカの連邦準備制度ですが、彼らが株主である民間の中央銀行をつ
くり、簡単に言えば、お金は刷り放題という状況をつくりました。それで、まずは
第一次世界大戦に莫大なマネーを注ぎ込んで、膨大な軍事ビジネスで収益を上げま
した。ここから彼らのマネーの力は、さらに数段大きくなりました。
こういうパワーに、日本は対峙していかなければならなかったのです。
それから、大恐慌です。大恐慌も彼らが仕掛けたと言われています。煽って、煽っ
て、煽ったところで、先ほどの連邦準備制度をキュッと締めました。金融政策は燃
え盛ったままですから、奈落の底に落ちるのは当たり前です。不況下で、デフレ政
策をどんどん進めていくわけです。42
この時代にアメリカで活躍したロスチャイルドの代理人は、バーナード・バルー
クです。
バルークは、第一次世界大戦、大恐慌、第二次世界大戦、それから米ソ冷戦構造
を企画した、歴代のロスチャイルドの代理人のなかでもっともパワーを持った人物
です。
彼はアメリカの議会を牛耳っていました。
大恐慌の時の大統領であったフーヴァーは、ケインズ経済学を知っていたわけで
はないでしょうが、例えば失業者がたくさんいたら、それは仕事がないということ
であり、民間企業が仕事をつくれなければ、政府が公共事業などで仕事を提供する
しかないというのは、誰が見てもわかるわけです。
しかしフーヴァーでさえ動こうとした時に、フーヴァーの顧問だったバルークは、
財政バランス健全化を重視し、公共事業の支出拡大に反対し、あろうことか増税を
要求したのです。
そして、経済的自由主義を推奨し、有意義なデフレ対策をことごとく阻止しまし
た。
狙いは、大恐慌後のデフレの継続です。
つまり、大恐慌後、デフレが継続していた 年の間に、ロスチャイルド、ロック
フェラーといったグローバリズム勢力が、弱い企業をどんどん買収し統合していっ
たのです。そして、寡占、独占体制を進めていきました。
次に、彼らは安く買い漁った企業を高く売ることを考えます。そのためには世の
中がインフレになる必要があります。そこで第二次世界大戦を起こし、デフレを脱
出したところで売り抜き、さらに莫大な富を蓄積していったのです。
しかし、この話はどこかで聞いたことがないですか?
デフレが継続しているのに、財政バランス健全化を重視し、そして公共事業支出
の拡大に反対し、増税を要求する。現在の日本のことではありませんか?
しかも日本政府は「消費税を上げる。減税しない」とまで言い出しています。そ
して、この期に及んでもなお、経済的自由主義を推奨しています。
ここまで言っていいのか分かりませんが、竹中平蔵氏は菅義偉政権期、また政府
内に帰ってきました。有意義なデフレ対策を阻止する姿勢です。狙いはデフレの継
続です。どうしてでしょうか?
彼らは、失われた 年から今に至るまで、上場企業の株を買い占めてきました。
土地も買い占めています。
コロナ禍で弱った大ホテルや、いろいろな観光施設、その他諸施設も買い取られ
ていますよね。
菅義偉元首相は、「これから銀行法も改正して、非上場、中小企業の株を外資に
開放していく」と言っていました。
岸田文雄首相は、それを否定していません。デフレを継続させているのです。
フーヴァー、ルーズベルトときて、バルークが担ったこの刈り取りで、グローバ
リズム勢力は莫大な富を蓄積したのですが、もし同じことが今の日本で繰り返され
るのであれば、数年後には日本はインフレに襲われます。
今はアメリカをはじめ世界中でコストプッシュインフレが始まっていますが、数
年後に日本政府が公共事業支出を突然やり始めて、コロナが収まった後に莫大なイ
ンバウンドを招き入れて、その時になって「もしかしたら消費税を少し下げるかも
しれない」などというようなことが起これば、このバルークがやったことを竹中氏
あたりが繰り返させているのかもしれないのです。
これは邪推かもしれませんけれども、非常に気になります。
国際金融資本と共産主義
ユダヤや国際金融資本に関する問題は、戦前、戦中は日本のマスコミも報道して
いました。
写真2は1941(昭和 )年の『満洲日日新聞』ですが、「ユダヤ問題を衝く」
というタイトルです。ほかの日本の内地の大新聞もそうですが、このように、ユダ
ヤが世界を動かしているということは、当時の日本のマスコミで盛んに取り上げら
れていました。46
↑写真2 満洲日日新聞 昭和 16 年 12 月 2 日
→写真3 大阪毎日新聞 昭和 17 年7月 25 日
写真4 信濃毎日新聞 昭和2年 11 月 12 日47
第二章 新世界秩序とは
写真3の『大阪毎日新聞』には、「日獨を目の敵 ユダヤと国際思想戦」と書い
てあります。写真4は、1927(昭和2)年の『信濃毎日新聞』です。風見章と
いう近衛内閣の官房長官が議員になる前に『信濃毎日新聞』の主筆を務めていたの
ですが、これはその彼が夕刊のトップに出した新聞広告です。「マルクス著『資本論』
至急御申込下さい。本日〆切」とあります。このように、日本にも共産主義の浸透
工作が行われていました。
ただし、このマルクスも、ロンドンのロスチャイルド一族の流れをくんでいます。
また、遠い親戚で同じユダヤ人であるハイネから、「プロレタリア独裁」という考
え方を伝えられたとも言われているのですが、ハイネはパリのロスチャイルド家の
スタッフです。
次ページの図4は、マルクスとロスチャイルドの家系図です。左の方に赤く示さ
れているのがカール・マルクスです。
真ん中の赤いところに、マイヤー・ロスチャイルドの三男であるネイサン・ロス
チャイルドがいます。カール・マルクスは、ネイサンの妻ハンナ・コーエンの従姉48
図4 マルクス・ロスチャイルド家系図(抜粋)
妹の孫にあたります。コーエン家はロ
スチャイルド家とともに大英帝国の繊
維ビジネスを牛耳っていました。
また、カール・マルクスのおばさん
一家は、フィリップス電気の創業者一
族です。
カール・マルクスの妹一家は、南ア
フリカ帝国の支配層です。
そして、カール・マルクスの奥さん
のお兄さんは、プロシアの内務大臣で
共産主義者を取り締まる側です。
要するに、カール・マルクスは、華
麗なる体制側のユダヤ一族に属してお
り、彼の共産主義思想と氏素性は全く49 第二章 新世界秩序とは
関係ありません。
結論から言うと、ロスチャイルド家が、資本主義陣営に対抗する思想として、あ
るいは大ロシア帝国をつぶす革命の原動力思想として、カール・マルクスに共産党
宣言(1848年)をやらせていたのです。
その思想が、日本にも入ってきていたということです。
近衛文麿は、その共産党宣言を利用しました。近衛内閣には、風見章、尾崎秀実
等々の共産主義者が入ってきています。
まとめますと、「世界は一つ マネー主義」の構造( ページ図2参照)の赤い
矢印は、ロスチャイルド家がペリーを使って日本をグローバリズムに組み込む動き
です。青い矢印は、共産主義の思想が日本に入ってくる、あるいはロックフェラー
をバックに大陸の共産主義が反日を展開する動きです。
この構造自体は、近衛内閣から始まっているのです。1945年8月 日からの
強固な占領体制の中でつくられていって、今日の岸田内閣にまで至っているという
ことです。
太平洋問題調査会
ロックフェラー傘下の太平洋問題調査会は日本を包囲していましたが、そこには
日本の若者たちも集っていました。それが、牛場友彦、尾崎秀実、西園寺公一、松
本重治、?山政道です。実は近衛の長男の近衛文隆もその仲間でした。
1940年にアメリカの議会で「ロスチャイルド家の富は、アメリカ合衆国の国
富の2倍、世界の富の半分」というようなことが証言されています。当然、彼らが
アメリカの政治に及ぼす影響は大きく、1880年代ぐらいから、ロスチャイルド
家はアメリカの大統領選挙をも牛耳っていました。
まだそのころは、反ロスチャイルドであり、アメリカ国民を代表する人民主義的
な大統領候補が出て、時々はそちらが勝ったりしていました。しかし、そうした候
補であるハーディングが大統領になり、アメリカの国際連盟加入を拒むと、食中毒
にみせかけて暗殺されるという事件が起こっているのです。
写真5 報知新聞 昭和 16 年6月 23 日
これは1941(昭和 )年の『報知
新聞』ですが、「大統領選挙の裏を覗け
ば ユダヤ財閥の大芝居」という見出し
になっています。このように、当時の日
本ではユダヤ財閥の動きが大々的に報道
されていて、日本人はみんな知っていま
した。しかし、戦後の日本人は知らない
のです。
また、ユダヤの大資本家を日本の味方
に付けることはできないかという動きや
戦略も立てられていました。
1930年代に、ユダヤ難民の移住計
画が日本で進められたことがあります。52
1934年に、日産の総帥である鮎川義介が提唱した計画に始まるとされ、
1938年の五相会議で政府の方針が決定されました。陸軍大佐の安江仙弘、海軍
大佐の犬塚惟重らが主導して、ヨーロッパでの迫害から逃れた多くのユダヤ人を、
満洲、上海、神戸で保護。満洲国などに自治区を建設する構想でした。
これを受けた極東ユダヤ人会議議長のカウフマンは、記者を通じ、グローバリズ
ム勢力が日本人への警戒を緩めるようアメリカ社会に説いたのですが、ルーズベル
ト大統領の側近で世界ユダヤ人会議の議長であるスティーヴン・ワイズは、「ユダヤ・
日本間の如何なる協力も非愛国的行為」とする強い見解を示したということです。
つまり、東條英機も含めた当時の日本の為政者は、ユダヤのパワーがいかにすご
いか、彼らが国際政治を牛耳り、そして日本を包囲しているということを、よく知っ
ていたのです。
しかし、ユダヤの大資本にとっては、一般のユダヤ人も駒であって、結局ロスチャ
イルドとユダヤの大資本家は、「日本よ、ありがとう」ということにはならなかっ
たのです。53 第二章 新世界秩序とは
そしてユダヤ大資本家の歓心を買うことができなかった日本は、大東亜戦争に追
い込まれ、大日本帝国は彼らによって滅ぼされたのです。
福田赳夫元首相とロスチャイルド
この章の最後に、当時、欧州駐在の財務官僚だった福田赳夫元首相が、折に触れ
て周囲や家族に語っていたという逸話を紹介しましょう。
1932年頃、英仏に駐在していた大蔵省の福田赳夫氏は、高橋是清蔵相の命で、
上司である海外駐箚財務官の津島寿一のお供をして、ロスチャイルド邸を訪問しま
した。間もなく償還時期が来る日露戦争資金として発行したフラン建て日本国債に
ついて、フランスが1920年にフランを切り下げて金本位制に復帰していたので、
切り下げ後の新フランで償還することを通告しに行ったのでした。
会話の中で、はじめは高橋是清の噂話をしながら友好的であったロスチャイルド
(パリ家第3代当主エドゥアール)は、津島が新フランでの償還を持ち出すや否や54
激昂し、卓上の呼び鈴を押しました。すると隣室から銃器・棍棒などを持った数人
の屈強な男たちが部屋に入って来て、「撤回しなければ一命を奪う」と津島を脅し
たと言います。
津島と福田赳夫が這うようにして逃げ帰って、高橋蔵相に報告すると、高橋は「已
むを得ぬが、一応言うてみただけだ」と津島を責めず、国債は旧フランの価値で償
還されました。要するに、パリのロスチャイルド家に損をさせなかったということ
です。
1933年に帰国した福田赳夫氏が調べたところ、このフラン建て国債が新フラ
ンで償還したように処理されていて、旧フランとの差額を調達した証拠は省内、大
蔵省内の何処にもなかったので、狐に摘ままれた思いであったそうです。
「契約とか国際ルールよりも上に、ロスチャイルド家の意向がある」というのが世
界の現実だということを、故福田赳夫元首相が逸話として証言しているという話で
す。
第3章 日本の未来を変えるには
大東亜戦争に至る
日本は国際金融資本の手に乗らず、対米戦争でも限定戦争を遂行する計画でした。
つまり、アメリカ国民やアメリカ議会のものの分かった議員たちは、戦争をする
気がまったくなかったわけであり、日本の国民や日本の首脳部も、大国アメリカと
戦争できるわけがないということで、お互いに戦争をする余地はゼロだったのです。
そして、日本は南に石油を取りに行くために、フィリピンを一時的に占領しても
中立化して返すというのが、陸軍を中心とする国家戦争戦略でした。総力戦ではな
く、限定戦争の環境は整っていたのです。
1941年 月 日に正式に決まった日本の大東亜戦争の国家戦略には、次のよ
うな文言があります。「対アメリカは宣伝謀略を強化す」「米極東政策の反省と日米
戦の意義指摘に置き、米国世論の厭戦誘発に導く」。これの意味するところは、ア
メリカ国民はまったく戦争をする気がないし、アメリカ国民の常識、そしてすでに
アメリカの言論界の主流は、「日本は間違っていない。アメリカこそおかしい」と
いうことです。日本は満洲を五族協和でよっぽど紳士的にやっているし、満洲は地
理的にも日本に近く、まさに日本の利害がそこにあるのであって、アメリカは先ほ
ども申し上げたように、宣教師とスタンダード・オイル以外は支那とは全く関係な
いのです。
そんなところにアメリカが軍事力を行使するとか、干渉するとか、あるいはビジ
ネスで出て行くビジネスマンがいること自体もおかしいというのが、アメリカの言
論界の主流であり、アメリカ国民の常識だったのです。日本という国とアメリカ国
民の利害は一致しており、分かり合えるはずでした。
それに対して、『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』等がプロパガ
ンダで、「日本けしからん」と言って、「何かあったら日本を叩きつぶせ」というこ
とを、たきつけたわけです。
日本側は、日本の敵であり、アメリカ国民の敵であるのがグローバリズム勢力で
あり、彼らの傘下の大手マスコミだということをよく知っていて、故に、アメリカ58
世論を厭戦誘発に導こうとしたということなのです。
また、「米極東政策の反省」とありますが、この米極東政策は、グローバリズム
勢力がやっていることです。「対米宣伝謀略を強化す」とは、つまりそもそもの国
家戦争戦略の基盤にあるものは、大東亜戦争が始まったら、「アメリカのグローバ
リズム勢力のプロパガンダはおかしい」ということをアメリカ議会やアメリカ国民
に呼び掛けるということなのです。
これが日本の対米戦争戦略で、総力戦ではなくて、思想戦だというふうに位置付
けていたのですが、これと全く矛盾するのが、真珠湾攻撃です。真珠湾攻撃をして
しまったら、こういう戦略は成り立ちません。
さすがに常識あるアメリカ人も、「kill the Jap 」となってしまったという話です。
日本とアメリカ国民の敵がグローバリズム勢力であり、傘下の大手マスコミであ
るという図式は、現在も続いています。つまりトランプ現象というのは、こういう
ことです。
トランプ氏を支持する、アメリカの国益を大事にしているアメリカ国民にとって、
敵は『ニューヨーク・タイムズ』であり、『ワシントン・ポスト』であり、グロー
バリズム勢力だということです。日本の大手マスコミも、このグローバリズム勢力
の子分であるというのが、今の図式です。
真珠湾攻撃がどうして行われてしまったか等々については、また『月刊インサイ
ダーヒストリー』でやっていきたいと思います。
戦後の日本と国際金融資本
戦後の日本を支えたのは、ロンドン家のロスチャイルドのエドムンドや、ロック
フェラー3世です。
戦後はアメリカの世紀です。天皇皇后両陛下のご訪米の際は、必ずロックフェラー
家を訪れておられました。
佐藤栄作元首相はロスチャイルド家に日中関係の改善のお伺いを立てました。
田中角栄元首相は、石油ショックの折は国際金融資本の言いなりにならず、自ら60
資源獲得に動いたのですが、彼はロッキード事件で「ユダヤにやられた」と叫んだ
と言われています。
その当時の背景には、「ドルの金兌換停止」「石油ショック」があります。
「ドルの金兌換停止」により、ドルは自由に増刷・発行できるようになりました。
ドルの価値がどんどん下がっているわけです。しかし、1973年に石油が一気に
4倍に値上がりしたことによって、決済は全部ドルですから、莫大なドル決済需要
が生まれます。これによってドルの価値が維持されるという大戦略です。
それに日本も翻弄されたということです。
当時のロックフェラーの当主は、世界のグローバリズムの守護神デイヴィッド・
ロックフェラーです。彼は、日米欧三極委員会等を通して、日本を牛耳りました。
日本はアメリカとともに、1970年代から、共産中国に資金と技術を与え、工
業化して、軍事産業化を促しました。
日本の贖罪、援助の大奉仕が、1970年代から始まっていくわけです。
そして、今の中国をつくってしまったということです。
さて、ここからが今の日本にストレートにつながっていく佳境になるのですが、
1973年にロックフェラー3世が「第2のアメリカ革命」、1980年からはロ
スチャイルド家が「世界的民営化ビジネスの開始」と称して、ミルトン・フリード
マンのシカゴ学派、サッチャー革命、レーガノミックスなどなど、新自由主義、グ
ローバリズムを戦略として大々的に打ち出しました。
イギリスでマーガレット・サッチャーがやったことは、民営化、規制緩和、所得
税・法人税の引き下げと、消費税の引き上げです。そして、反労組です。
狙いは、シティの膨張、グローバル展開、地球規模の金融自由化の要求です。
国内産業基盤よりも海外への投資を重視し、そして途上国に貸しておいて、IM
Fの強権で途上国からむしり取るのです。実際、債務国にフォークランド紛争を仕
掛けています。
そして、不動産投機の助長、公共インフラの劣化、インフレと不況を招いたので62
すが、サッチャーはまさにこういうことをしているのです。日本の保守系の政治家
のなかに「尊敬する政治家はサッチャーだ」と言う方がいますが、これは絶対に言っ
てはいけないのです。
アメリカで似たようなことをやったのがレーガンです。新自由主義、ウォール街
の膨張、グローバル展開、地球規模の金融自由化要求と同時に、左派的な政策もとっ
ています。
彼らと同時代に出てきたのが、中曽根康弘元首相です。
彼はご存じのようにプラザ合意に基づき、金利を引き下げ、バブルを起こして、
大いに日本を刈り取らせてしまったのです。本当は、日本の国力を使ってやるべき
戦略が別にあったのですが、この大きなチャンスを、言われるがままにつぶしたの
が中曽根氏です。公共事業の民営化もやりました。
その後、アメリカはブッシュ大統領になり、冷戦後の主ターゲットは、ソ連では
なくて、日本と統一ドイツになりました。
1989年9月、CIA長官が、ポスト冷戦時代の新任務のターゲットは日本・
ドイツであると発表しました。「貿易不均衡と技術開発は、いよいよ明確になりつ
つある一つのポイントを浮かび上がらせている。我々の政治的・軍事的同盟国は(日
本のことですが)我々の経済的な敵でもあるのだ」と語っています。そういう論理
で、徹底的な経済敗戦に日本を追い込んでいくわけです。
湾岸戦争においても米英は日独を叩き、日本政府は1兆8000億円を献納しま
した。
バブルとバブル崩壊当時の日銀総裁、澄田智氏の罪は非常に大きいと思います。
しかも彼が再就職した先は、ロスチャイルド系のラザール・フレールという投資銀
行です。
その次の日銀総裁、三重野康氏も、バブル崩壊後の立て直しに失敗し、「失われ
た 年」を招きました。
この時期、竹下内閣、宇野内閣、海部内閣、宮澤内閣、細川内閣、羽田内閣、村
山内閣と短命な政権が続きましたが、本当に彼らがやらねばならなかったのは、日
本型経済・日本型経営の維持、発展です。そして、東アジア円ブロックの形成です。64
これをやろうとした大蔵官僚が存在したようなのですが、つぶされてしまいまし
た。
それから、東欧圏、共産主義圏が崩壊したわけですから、東欧・ロシア再建への
投資もやるべきでした。実質的に意味のある投資をすることによって、日本の影響
力を確保できたはずなのですが、当時の政権にはそういう問題意識がなかったので
しょう。小沢一郎氏の動きばかりが気になっていたというのが、日本の政局でした。
ジャパン・ハンドラー
「ジャパン・ハンドラー」というべき人々がいます。昔なら、リチャード・アーミテー
ジやマイケル・グリーン、ジョセフ・ナイといったところでしょうか。
最近では、ジャパン・ハンドラーズは皆、「防衛費を増やせ」と言っています。
GDP比1%を突破して、「全部アメリカから買え」ということでしょう。
彼らジャパン・ハンドラーズは、「靖国神社参拝は絶対やめろ」とか、GDP比1%65
超の軍事支出は「2倍に増やしてもいい」とか、「河野談話見直し、けしからん」「尖
閣諸島への公務員常駐施設設置は日米関係に悪影響を及ぼす」など、言いたい放題
です。
そして、彼らはアメリカの国益を守ろうとするトランプ氏が嫌いです。トランプ
氏が大統領だった頃は、少しはおとなしかったのですが。
もっとも、そのトランプ氏も、財務長官にユダヤ人でゴールドマン・サックス出
身のムニューシン、商務長官にはロスチャイルド銀行出身のロスを起用しました。
トランプ氏が来日した時、彼はお酒が飲めないのですが、日本の迎賓館が出したお
酒はシャトー・ラフィット・ロスチャイルドです。彼の背景を考慮して、気を利か
せたのでしょう。
ちなみに日本にも、ジャパン・ハンドラーズの手先がいます。中小企業をつぶし
まくった竹中平蔵氏とデーヴィッド・アトキンソン氏、首相秘書官などを務めた今
井尚哉氏、マッキンゼー出身の人事院総裁川本裕子氏です。
2019年に、日本の外務省が、エドムンド・ロスチャイルド邸に 本の桜を贈
呈しています。なぜかというと、おそらくコロナがなければ翌春に天皇皇后両陛下
が訪英する予定だったからでしょう。エドムンド邸に見事な桜が 本咲いていると
いうことで、戦後 年ですから、そこで交わされる会話は大体想定できます。
そして先ほども触れたCO2 削減ですが、その打撃を受けるのがアメリカの独立
系シェール企業、ロシア、そして日本の自動車メーカーであることを考慮すると、
これもグローバルな新秩序の確立を企む動きと考えていいでしょう。
こうしたジャパン・ハンドラーから日本を取り戻すには、対グローバリズムと対
中共の二正面作戦が必要です。
国連・イコール・国際金融資本です。日本国憲法もイコール・国際金融資本です。
日本がかつてのポーランドのように消える、ただしポーランドのように抵抗して
ではなく、溶解してしまうのではないかという恐れを私は抱いています。
こうした危機を前に岸田内閣は何をするのかというと、岸田政権は日本が置かれ
た三角の対立構造の真ん中の草刈場にそのまま乗っています。
反日国家としての共産中国は、習近平独裁化を進めていますが、岸田首相の対応
はどうかというと、そもそも岸田さんは広島県日中友好協会の会長です。茂木敏充
自民党幹事長、林芳正外務大臣はともにハーバード大学大学院出身で親中です。非
常に心もとありません。まさに親グローバリズム、親米、親中の政治家とみられて
います。
いったい、日本に明るい未来は来るのでしょうか。
歴史の構造から日本を救うには
2013年9月、安倍元首相はニューヨーク証券取引所で、「もはや、国境や国
籍にこだわる時代は過ぎ去りました。日本はもう一度、儲かる国になります。日本
は戻ってきます」というスピーチをしました。「儲かる国になります」というのは、
日本人や日本の企業が儲かるのではなく、グローバリズム側が儲かるということで
す。
グローバリズム勢力に向かって、「日本はもう一度、皆さんが儲けることができ
る国になりますよ」と宣言しているのです。
振り返ってみますと、バブル経済が起こり、そしてその崩壊がありました。その
際、グローバリズム勢力には大きく儲けてもらったわけですが、失われた 年を経
て、もう一度、儲かる国になりますよと宣言しているわけです。
さらに安倍氏は2014年9月にふたたび訪米しているのですが、この時の主要
な日程は国際連合、外交問題評議会(CFR)の本部訪問です。外交問題評議会は、
戦後、アメリカの主要閣僚を輩出したロックフェラー系統の政治団体です( ペー
ジ図3参照)。
写真6は、安倍元首相が外交問題評議会本部でスピーチをしているところです。
外務省がホームページに掲載しているものです。
この構図をご覧ください。
安倍元首相がこの写真の本当の主人公であれば、彼、あるいは彼の周りにフォー
カスした写真になっているはずです。しかし、安倍氏を見下ろす位置に、非常に大
きな肖像画が掛かっているのです。この肖像画は誰かというと、デイヴィッド・ロッ
クフェラーです。この時のロックフェラー
家の当主です。こうした写真を外務省が載
せているのです。
デイヴィッド・ロックフェラーは、外交
問題評議会のトップであり、実質的なオー
ナーであり、まさに世界戦略の主だった人
物です。
グローバリズムの守護神、グローバリス
トの中のグローバリストでした。
そのデイヴィッド・ロックフェラーに見
下ろされながら安倍元首相が何を話したか
というと、次のような内容です。
「本日は、世界のマーケットを動かす方々
と意見交換できる機会をいただき感謝申し
上げます」
世界のマーケットを動かす方々というのは、この外交問題評議会の幹部たちのこ
とです。
「『できるはずがない』と思われていた改革を次々と実現しています。国内でも攻
めの農業改革を進めています。これまで手を付けることすらタブー視されていた農
協についても、 年ぶりの抜本改革を実行します」
「既得権益に守られていた人の抵抗を押さえるのは正直かなり大変です。しかし、
彼らもまた競争に晒されなければ未来はありません。彼らのためにこそ、私のあく
なき改革は続きます」
彼らというのは、我々、日本国民のことですね。
「皆様が日本企業に投資しやすい環境を作ります。会社法を改正し、上場企業では
ここ1年間に社外取締役を選任した企業が %増えて %になりました」
「アベノミクス以前の内向きな日本人のマインドは、ここにはありません。今日は、
皆様から、日本の投資・ビジネス環境改善のために忌憚ないご意見を賜りたいと思
います」と、このようなスピーチをし、意見を承って帰ってきたわけです。
皆さんご存じのとおり、日本の実質賃金は下がり続けています。それにもかかわ
らず株価が上がり、そして外国人株主のシェアが大幅に増え、外国人投資家への配
当が大幅に増えたというのが、ここ数年の特徴です。
ですから、安倍氏は、アメリカとの公約を守れたわけです。よって、長期政権で
あったというような話はよく聞きます。
そして、このような方針が、菅政権の時にも続き、今も続いています。
菅前首相はデーヴィッド・アトキンソン氏と密接な関係を持ち、ゴールドマン・
サックス等も呼び込んで、コロナ禍で弱り切った日本の産業界に、中小企業再編成
を仕掛け始めました。そして外資と外国人経営者も倍増させていくということを、
数値目標まで立ててプランニングしていました。
私は個人攻撃をしているわけではありません。政治談議をするつもりもないので
す。
これは歴史の構造の問題なのです。この構造を変えない限り、誰が首相になって
も同じです。
私が危惧するのは、未来です。アメリカだけではなく、共産中国の草刈り場にも
なっている日本は、このままではグローバリズム勢力に実質的に植民地化されるの
ではないでしょうか。
これを避けたいのであれば、こうしたものの見方ができる日本の有権者を、今の
1%か2%くらいから、アメリカ並みの %に増やすことです。
もちろん、一歩前進するにはリスクがあります。
アメリカではグローバリズム勢力の本質を見抜いた %の人々が、トランプ氏が
アメリカの国益を守ると信じて支持しました。
前回の大統領選挙後、郵便投票で不正があるということを告発した郵便配達人が
いました。その告発はSNS等で世界中にも拡散され、多くの日本人も見たと思い
ますが、あの方は今どうなっているのでしょうか。ほかにも不正を告発した人は大
勢いました。その後の報道はないですが、こういった方々は非常な苦境に追い込ま
れているのではないでしょうか。73 第三章 日本の未来を変えるには
しかしたとえば1万人の人が、命とはいいませんが、職を賭してさらに踏み込ん
でいたら、トランプ氏があの選挙に勝っていた可能性もあるのではないでしょうか。
日本でも、真実を知った1万人の方々が、勇気をもって拡散するというような行
動に出れば、日本を救う大きな流れを作ることができるのではないかと思います。
Q:日露戦争後、ユダヤ人の米国鉄道王ハリマンが日本と共同でシベリア大陸間鉄
道を敷設する計画の仮契約締結後、小村寿太郎が破棄させ、ユダヤ資本勢力を敵に
回し、日米開戦、敗戦となるのですが、なぜ小村はわが国の未来を危うくしたので
すか?
A:おっしゃるとおり、小村寿太郎は桂・ハリマン協定を破棄させました。
満洲の鉄道の共同経営をハリマンが持ち掛け、桂太郎内閣は承諾し、覚書を交わ
したのです。
その後、日露戦争の講和条約であるポーツマス条約を結んだ小村寿太郎が日本に
帰国しました。そして桂・ハリマン協定の話を聞いて、桂や閣僚を説得し、破棄を
決意させました。
「日本と覚書を結ぶことができた」と喜んで船で帰路についたハリマンですが、サ
ンフランシスコの港に着くやいなや覚書の破棄を知らされ、激怒したそうです。伝
え方が非常に失礼ですよね。それだけ取り上げれば、大変非礼なことを日本側はし
ているわけです。
そしてご指摘のとおり、ユダヤ側は非常に激怒しました。「明治維新以来、日本
を導いてやったのは俺たちだ」というわけです。彼らは極東ビジネスをやるために、
日本を開国させたわけであって、その日本に勝手なことをされるとはまったく筋違
い、という認識を持っていました。
小村寿太郎は、そこまで大きな構想を持ち得ていなかったのだと思います。
ただし、仮に小村寿太郎が破棄させず、日米が対等な立場で満洲の鉄道を経営し
たとしても、その後、日米間であつれきが起きなかったかどうかは疑問です。
確かに満洲の問題について、ここで妥協をしていれば、例えばカリフォルニアへ
の日系移民の問題等は大きくならないで済んだかもしれません。
しかし、彼らの思考パターンを考慮すれば、最初は対等な立場で鉄道経営をして
いたとしても、その後「100%よこせ」というようなことを言ってくる気がしま
す。
そうして満洲にアメリカ、グローバリズム勢力の拠点が築かれてしまえば、日本
はより一層、そちらの方面から追い込まれるという歴史をたどっていった可能性も
考えられます。
Q:ユダヤ資本は、それまでは信義に厚い優秀な日本人をアジアにおけるユダヤ資
本の番頭にしようという構想だったのではないかと推察するのですが、いかがです
か。
A:そのとおりですね。
ユダヤ資本がつぶしてしまおうと狙っていたのは、ロシアのロマノフ王朝です。
それには2つの理由があります。まず1つ目の理由は、ロシアが「ポグロム」と
いって、ユダヤ人を迫害していたことです。その体制をつぶそうとしたのです。
また、ロマノフ王朝は莫大な金を蓄積していました。
ロスチャイルドの 世紀から 世紀にかけての基本戦略は、世界中の金をロス
チャイルド家、あるいはイングランド銀行で占有し、世界のマネーを牛耳ることで
す。
そして、ロマノフ王朝の莫大な金は、ロシア革命でレーニンらが接収し、そのま
まロンドンのグローバル勢力の銀行に運ばれたと言われています。
そのロシアの対抗勢力として、日本を育てたということです。そして、まさにそ
のシナリオどおり、日露戦争で日本が勝ちました。
しかし、日本は第一次世界大戦には事実上、巻き込まれなかったので、日本の国
力が大きくなりすぎてしまったのですね。育ちすぎてしまったので、先ほどの満洲
の鉄道の話もありますけれど、脅威になってきたのです。
よって、日英同盟を破棄し、今度は日本を抑えていく方向に転換していったとい
うことです。80
50
Q:北京五輪の外交ボイコットはディープステートに何をもたらすでしょうか。
A:習近平政権にとっては、外交ボイコットはしてほしくないでしょうね。国内的
にも、より完全な形で北京五輪が催されるということが威信を保つうえで有効だと
思いますが、オリンピックのボイコットというのは時々あるのです。
1980年のモスクワオリンピックでは、ソ連のアフガニスタン侵攻のために、
アメリカを中心とした約 カ国がボイコットしました。その対抗措置として、東側
諸国はその次のロサンゼルスオリンピックをボイコットしました。
今現在の世界を見れば、ソ連の崩壊後、米ソ対立に代わって、米中の対立構造が
見られます。
グローバリズム勢力が、中国、共産圏の労働力を徹底的に利用して、それによっ
て資本主義を一層大きくしていったわけです。ウイグルの扱いは、当然、共産中国
が大いに責められるべきですけれども、地球規模の構造から見れば、グローバリズ
ム勢力が徹底的に中国の労働力を利用しているという、典型的かつもっとも極端な
例です。
要するに中国共産党による他民族迫害も、香港の弾圧も、アメリカにおけるアメ
リカ第一主義者の弾圧も、根は同じです。ディープステートが従順なる地球市民を
作ろうとしているのです。
西側の国が、人権を理由に北京オリンピックを外交ボイコットするというのは、
ディープステートのシナリオどおりでしょう。
彼らは米中対立を煽って、軍事ビジネスに利用しているのです。ですから台湾海
峡の米中対立も、さらにエスカレートしていくでしょう。
今日、米中対立は、政治的軍事的対立構造を深めています。人権を考えれば、日
本も北京オリンピックを外交ボイコットすべきだと思います。しかし大局的に見れ
ば、米中対立を演出していく一環となっています。
ディープステートに何をもたらすかは、残念ながら、シナリオどおりということ
だと思います。
Q:現在、国際金融資本は、習近平氏の中共をどう見ているのでしょうか。
A:共産中国は、今、政治的に消費を抑制していることや、不動産の過剰債務問題、
あるいは新型コロナの影響や世界的なコストプッシュインフレの影響などが出て、
経済的に少しへこんでいます。
ただ、いろいろな予測によりますと、多少は遅れても、アメリカにGDPでキャッ
チアップするとか、総合的な軍事力でもキャッチアップしていく――核戦力でも
年以内にアメリカの核弾頭1500に対し、共産中国は1000ぐらいに肉薄して
いく――であろうことは、ほぼ確実と言われています。
国際金融資本は、地球を二分した米ソ対立構造に代わる米中対立構造を育ててい
るのだと思います。アメリカやヨーロッパを使って、共産中国を育てているのです。
経済の上がり下がりはありますが、あるいは下がれば下がるほど国際金融資本は
さらに中共の弱い所をつかめるわけです。そしてマネーで支えていくはずです。
特に、歴史的にロスチャイルド系統と言われている潮流、例えば大西洋評議会
などは、2021年の1月末の論文で、中国共産党と習近平氏のデカップリン
グを提示しています。
つまり、習近平氏は独裁的で、浸透工作もやりすぎている。グローバリズム勢力
が望む以上のことを、自らの覇権、権力維持のためにやりすぎている、ということ
です。ですから、ユダヤ系の大資本は習近平氏を嫌っています。
それは、習近平氏がエリザベス女王を訪問した時に袖にしたような態度にも表れ
ています。
ですから、特にユダヤの大資本家系統は、中国共産党のトップを習近平氏より物
分かりのいい人物に取り換えることが自分たちの戦略だという趣旨のことを言って
います。習近平氏個人は戦々恐々としていて、対抗策として第二軍拡のようなこと
や引き締めをやっているわけです。
ただ、国際金融資本のなかにも濃淡がありまして、ジャパン・ハンドラーズのな
かでもナイ氏などは、習近平氏の味方をしています。系統的に言うといわゆるディー
プステート、ロックフェラー系統と習近平氏とは、より利権を共有しています。バ84
イデン氏などもその中に入っています。
Q:秋丸機関に有沢広巳などの共産主義者が入って研究をしていたのならば、ソ連
や英米や国際金融資本に秋丸機関の研究成果が漏れていたということはありません
か?
A:もろに漏れていたと思います。というよりも、秋丸機関の研究の成果というの
は、将棋で言えば定石なのです。
ですから、ソ連や英米や国際金融資本も、自らの見識、研究において「こうやれ
ば枢軸側が、日本が勝つ」ということを知っていて、それを懸念していたのですが、
同じ答えを秋丸機関も出していたということです。
スターリンやチャーチル、ルーズベルト、あるいはロスチャイルド、ロックフェ
ラーから見た場合、大東亜戦争開戦前の地政学的な条件は、定石的にやれば枢軸側、
日本が勝っていたのです。
秋丸機関も独自のデータと資料の積み上げから同じ結論を出していました。
ですから、日本側と連合国側、国際金融資本側の結論は1つだったのです。あの
戦争は、地球レベルの定石からいって、日本が負けない戦争だったのです。
そこで国際金融資本は、その負けるはずがない日本をどうやってひっくり返すか
というところに知恵を使ったのです。
彼らは莫大な物資力の差ではなく、日本が自らの手で自分たちが勝つ定石を壊し
ていくということを仕掛けました。
それが、永野修身が決済した、真珠湾奇襲です。
あれがなければアメリカの参戦は非常に難しかったし、先ほど申し上げたように、
日本は思想戦を仕掛けていました。日本の常識や国益と、アメリカ国民の常識やア
メリカの言論の主流は、一致していたのです。
真珠湾奇襲がなければ、研究成果が漏れていたとかそういうことは関係なく、日
米戦争が総力戦になる余地はありませんでした。86
10
12
ですから、真珠湾奇襲自体も、裏には国際金融資本が通じていたのではないかと
いう考え方を否定することは、なかなか難しいのではないかと思います。
Q:JFKの暗殺も、ユダヤ資本が暗躍していたのでしょうか?
A:まさにそこにつながるのではないかと思われる捜査資料が、いまだ公開されて
いません。
トランプ政権期に公開する期限がきたのですが、安全保障上公開できないという
ことで1年延ばしました。そして2021年 月に再び公開の時期がきたのですが、
バイデン大統領は「まだ整理ができてない」ということで公開を一部にとどめ、全
面公開は2022年 月に延ばしました。
質問された方はよく分かっていらっしゃると思うのですが、事件直後のジョンソ
ン新大統領下のウォーレン委員会はオズワルド単独犯説をあげています。87 付録 質疑応答
しかしあの事件の構成からして、単独犯というのは無理があります。
犯人に関してはさまざまな説がありますが、「ソ連・キューバ説」、ケネディはC
IAを縮小しようとしていたので「CIA説」、それからマフィアやギャングに応
援されていたのに、ロバート・ケネディ司法長官が彼らを取り締まろうとしていた
ので「マフィア・ギャング説」があり、「FBI説」まであります。
そのほか、JFKが政府紙幣を発行しようとしたから、またユダヤの大資本家が
イスラエルを使ってイスラエルおよび共産中国を核武装させようとしているのをJ
FKが阻止しようとしたから暗殺されたという説もあります。
私は一次史料に基づいていろいろなことを言うようにしていますから、これにつ
いては、史料が全部公開されないと分からないということです。
cHayashi Chikatsu,2022
※ 本書の複写・複製を禁じます。
七人の日本人、
ユダヤ人との攻防
発行日 2022年7月1日
著者 林 千勝
編集協力 木村 俊太
発行人 谷口 暢人
発行所 株式会社経営科学出版
〒108-0075 東京都港区港南2-16-1
品川イーストワンタワー9階
【カスタマーサポート】
https://dpub.jp/contact_forms